デジタル技術がもたらした機械化・省力化・効率化がどれほどすさまじい大量生産を生んだか、数字を挙げよう。九一年、なんと一年で五百十組の歌手・バンドがデビューしたのである。日本レコード協会(『日本のレコード産業』)。一年間、毎日一組ずつ必ず誰かをデビューさせても、まだ追いつかない。前年九〇年の四倍だから、この増え方は突出している。ここから九四年まで、毎年四百組以上の新人がデビューし続けるのだ。九六年も三百組以上。
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アナログ録音時代なら「ちょっとどうか」とためらわれるような人材でも、金や時間が少なくて済むのなら「とりあえず出しておこう」という心理がレコード産業の現場で働いた。その結果が年五百十組という大量デビューである。また、時間的・予算的に言っても、アナログ時代ならここまでの大量生産は不可能である。録音にかかるコスト(時間と費用)がデジタル化で削減されたからこそ、可能になったのだ。