日本には日本なりの特殊事情もある。米英の成功例のノウハウをそのまま踏襲することはできないだろうが、経済全体の足を引っぱるような銀行は整理すべきだ。それをせず放置すれば、傷を深くするだけでなく、都心の土地の流動化の妨げにもなる。都心の土地は、いくら公的資金で買い上げようとしても動かない。権利関係が複雑化している上に、金融機関が大幅な損切りをすると、たちまち債務超過になってしまうところが多いからでもある。
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たとえ地価が、バブル絶頂期のレベルに戻ったとしても、売ったら損を出すノンバンクもある。一一○%評価で過剰融資しているためだ。それがこれから十分の一のレベルに下落していくとしたら、第一抵当権者は早目に競売に回したほうが損を少なくできる。これは共同債権買い取り機構ではできない。後順位の登記を抹消できないからである。体力のある銀行が、担保付不良債権を競売によって回収を図ると、後順位の銀行は回収不能となり、金額によっては破産する。これは競売のシステムからして仕方ないことだ。競売を通して、デタラメ融資をした住専・ノンバンクがまず整理淘汰され、そこへ過剰融資した体力のない銀行も連鎖的に整理されていく。債権(資産)が競売でゼロになるのだから当たり前のことだが、赤坂のホテルーニュージャパンのような一千億円近い最低売却価額の大型競売が登場してくると、たとえ落札されなくとも、回収可能かどうかの線が判然とするので、後順位の債権者は回収ゼロを宣告されてしまうことになる。住専・ノンバンクは、幸いにして預金者がいない。