比較的軽い人身事故の場合、1998年6月より、さらに事故捜査・処理が簡略化されている。その対象となる人身事故は「全治3週間以内のケガ」。酒酔い運転や信号無視、30kmを超えるスピード違反等、悪質で危険な道路交通法違反によるものは除くが、「被害者のケガが全治3週間以内で、被害者・加害者の当事者問に事故の事実の争いがない人身事故事件に関しては、手続きを大幅に簡素化する」というもので、人身事故の約75%が対象となる。具体的には、次のとおりだ。(1)被害者や目撃者など関係者が遠隔地に住んでいたり、仕事が忙しくて警察の呼び出しに応じられなかったりする場合、警察官が実際に会って話を聞かなくても、電話で事情聴取した結果を捜査報告書に記載することができること。(2)これまで清書に時間がかかった事故現場見取り図も、事故現場で書いた原図を使用できること。この事故捜査の簡略化は、事故関係者(被害者や目撃者)の負担の軽減と、警察の捜査書類作成の負担軽減を目的としているが、本人かどうかの確認もままならないような「電話聴取」に加え、事故現場見取り図も、その場で書いたものが基本というのでは、事件捜査と言えるのかどうか。こうした簡略化が「不起訴率」のさらなる増加となり、被害者の不利益につながらなければいいのだが。