有名私立中学というブランドは、宝石や毛皮のコート、あるいは高級車といったブランドに比べて決定的な違いがある。モノは金さえ出せば誰でも買えるのであるが、有名私立中学は子どもに一定以上の能力が備わっていなければ手に入らないからである。中学入試のフィーバー、ぶりの中にブランド的動機の果たす役割は無視できないものがある。動機間の矛盾と葛藤以上で能力開発動機、功利主義的動機、ブランド的動機について説明した。中学入試から高校、大学入試に至るまで、日本の進学競争はこの三つの動機でだいたい説明できるように思われる。ただ、もちろん、この三つの動機の配分は人により時代により異なるはずである。しかし、より大事なことは、この三つの動機はしばしば矛盾をはらみ対立するという点である。