10代、それも高校生の頃の夢を覚えていますか? 小学校の卒業文集に書くような「スチュワーデスになりたい」「看護婦さんに憧れている」といった他愛もない夢ではなく、少し現実が見えて、自分の適性もわかりかけてきたあの頃、あなたは何を目指していましたか?「年の離れた弟がいたせいかもしれませんが、保母さんという職業が自分の天職のように、高校に入った頃から思っていて。それで大学も専門の学部のあるところに進学して、卒業後は都内の公立保育園に就職したんです」。派手ではないが、愛らしいルックスのTさんは、話し方もこちらの話を聞くときの表情もとても優し気だ。まさに「保母さん」といった雰囲気。「特に好きなことも特技もなくて。でも『向いてるなーと思ってた保母さんになって、25歳くらいで結婚できたらなって思ってたんです。だから21、2歳の頃は、そんなささやかな『夢』みたいなもののひとつが叶って幸せでした」