持家社会を理解するには、住宅所有に関する男女差をみる必要がある。これに加え、ここでの分析が示唆するのは、女性というグループの内部における住宅条件の階層化に注意する必要である。労働市場に入る女性は増大した。しかし、その経済力の変化は均質ではない。正規雇用での就労を続け、経済力を改善する女性が存在すると同時に、女性就労の多くは非正規雇用の市場に吸収される。有配偶者のグループでは、収入の高い妻は世帯の所得を上昇させ、その持家取得を支えるのに対し、夫婦ともに所得の低い世帯にとって住宅取得は容易ではない。
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無配偶者のグループでは、単身女性の一部が経済力を高め、マンションを購入し始めた。しかし、大多数の無配偶女性は低い経済力しか備えず、親の家にとどまる、あるいは民営借家を探す以外に選択肢をもっていない。離婚女性による住まいの確保は難しく、低所得の母子世帯の住宅困窮はとくに厳しい。結婚していない女性の増大は、住宅所有にアクセスできない人たちの増加を意味する。家族主義の住宅システムは、女性を単線の軌道に乗せようとする。しかし、女性の暮らしのパターンは脱単線化の途上にある。住宅システムが想定するライフコースと実態としてのライフコースの不整合が拡大するにつれて、標準世帯の持家取得ばかりに支援を集中する旧来のシステムの根拠と合理性は弱化せざるをえない。女性たちの住まいと暮らしの条件をどのように整え直すのかという問題は、持家社会の変化を展望し、住宅システムの将来を検討するための一つの鍵である。