「ハローキティリップグロス−21」だけを警告しているわけではありません。そこを誤解しないでください。たまたま有名なので取り上げているにすぎないのですから……。この口紅に使用している油剤の量の順は、(C18−21)アルカン、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、パルミチン酸オクチル(これはパルミチン酸ヘキシルデシルに名称が変更されています)、ホホバ油の順でした。これらの油剤を検証してみましょう。ホホバ油以外はすべて合成油です。合成油は酸化も腐敗も遅い。ということは微生物にとって非常に食べにくい油なのです。微生物とは、皮膚表面に棲息している常在菌のこと。常在菌については、次章で詳しく説明しましょう。キッズコスメだから、「もし防腐剤を入れたら親から苦情がくるかも」ということを心配して、油剤を腐敗しにくい合成油でかためたのでしょう。唯一、天然油剤であるホホバ油も脂肪酸系油脂が少なくて腐敗しにくい油として知られています。これらは皮膚の常在菌にとって好ましい油ではありません。つまり、この口紅は皮膚の環境には向かない油剤でできているのです。
>> POLAエイジングケアの詳細はこちら
まして、ポリイソブテンという合成ポリマーまで入っているので微生物には困るでしょう。だから酸化防止剤の酢酸トコフェロールだけ済み、防腐剤は入っていないのです。しかし、唇は皮膚ではなく粘膜です。粘膜はこの常在菌に関係ありません。常に唾液で湿気を確保していればそれで済みます。ですから口紅に用いる油剤は、皮膚には向かないものでも済むのです。近い将来、このメーカーが今後キッズ用の基礎化粧品のクリームを作るかもしれません。そのときに「これらの油剤は防腐剤を使わないでも大丈夫」といって、基礎クリームの油剤にしないことを願います(化学の世界ではよくある話です)。顔を石けんで洗った後、菌類の棲めない油で作ったクリームで皮膚が覆われてしまったら、皮膚のよき友である常在菌を追い出すことになってしまいます。
>> アンチエイジングの詳細はこちら